山形の高館山のトンネルです。
学生時代、そこを抜けた先のお寺に友達が住んでいました。
その友達にギターを教えてもらっていたので、学校終わりに友達の家に行くことも多かったです。
いつも帰りは、友達のお父さんが送ってくれていました。
しかし、その日は友達のお父さんは用事があり、友達のお兄さんが送ってくれることになりました。
その細いトンネルでは決まりがあり、2台すれ違うことが出来ないため、通る側の車がクラクションを鳴らし、通行することを向こう側に伝えます。
友達のお兄さんも、クラクションを鳴らしてから通行しました。
すると、向こう側からヘッドライトが見えました。
通行することを知らせたのに、トンネルに入ってくるのはマナー違反です。
私たちは、お兄さんを煽りながら車を飛ばすように勧めていました。
すると、向こう側からクラクションを鳴らしながら走ってきた車を目視出来るようになってから、お兄さんは青ざめ急にバックし始めました。
私は後部座席にいたため、何故バックするのかわからずにいましたが、助手席にいた友達も顔は青ざめ、
「これは本当にダメなやつだ」
と怯えながら言っていました。
そこに、友達のお父さんから電話がかかってきました。
友達は恐怖で固まり、電話に出られる状況じゃなかったので私がかわりに出ました。
「今目の前に車がいるな!?絶対に目を合わせないで急いで寺まで帰って来い!早く!」
お父さんの勢いに、
「わかりました」
と伝え、電話の内容をお兄さんに伝えました。
細いトンネルをバックで戻り終わり、トンネルを覗きました。
すると、そこにいたはずの車がありませんでした。
お父さんに言われたとおり、寺へ戻ると私達はお祓いをされて、お父さんの運転する車で家まで帰りました。
友達は何を見たかは、私に言うなと言われたらしいので、あの日向かい側からきた車に何が乗っていたのかわかりません。
でも、あの様子だと何か霊を見たのは間違いありません。
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