ネットで見つけた心霊スポットの体験談を紹介していきます!

北陸地方, 石川県

ヤセの断崖

石川県の心霊スポット「ヤセの断崖」にまつわる怖い話

石川県の心霊スポット「ヤセの断崖」にまつわる怖い話

能登方面に、ヤセの断崖という場所がある。
福井県の東尋坊と同じく、断崖絶壁が海へとせり出しており、こちらも自殺の名所として有名だ。

元々は、松本清張が書いた小説が『ゼロの焦点』という映画になり、その内容がヤセノ断崖での自殺をテーマにしていた事から、自殺の聖地として認知されてしまい、それからは頻繁に自殺が行われるようになったらしいのだが…。

確かに、海からまっすぐにせり上がった55メートルの断崖は、上から見ると迫力満点である。
まるで、海に引き寄せられるような錯覚を感じる。

ただし、福井県の東尋坊と大きく違うのは、観光客が少ないという事かもしれない。
東尋坊と同じように自殺の名所になっているが、東尋坊は昼間の観光客も多く、周りには宿泊施設を含めて、かなりの民家が立ち並んでいる。

しかし、ヤセの断崖の近くには、民家らしきものはなく、夜には命の電話の公衆電話ボックスが暗闇の中にぽつんと浮かび上がり、完全に異世界へと変貌してしまう。

実は、このヤセの断崖であるが、俺が子供の頃、ここで自殺体を発見したという忌まわしい記憶がある。
崖の上から飛び降りて、そのまま海に着水できず、岩肌に叩きつけられて亡くなったであろう自殺者の遺体を偶然見つけてしまったのである。

ただし、偶然といっても、もしかしたら、必然の出来事だったのかもしれない。
確かに、ヤセの断崖の周辺には、自殺を思い留まるようにと設置された看板や『自殺体を見つけた方は警察に連絡を!』という看板もある。

そして、当然、子供にとっては、それは宝探しのようにある種のゲームになってしまい必死に自殺体を探していたのも事実である。
しかし、その時、俺は間違いなく、声を聞いたのだ。
俺の耳に、

「お願い…こっち…。」

という声が聞こえ、その声のする方を見たら、自殺体が岩肌に引っ掛かっていた。
初めて見る自殺体は、子供心にはとても強烈だったが、結局、警察が来て第一発見者として色々と事情を聞かれ、かなり疲れた記憶がある。

話を戻そう…。
初めてヤセの断崖に行った時は、それなりに観光客もいたような気がする。

簡素だが、おみやげ屋も在った様な気がするとし、何より綺麗に整備されていた。
そして、遊歩道を歩いていくと、義経の舟隠し、と呼ばれている洞窟のような岩場に出る事が出来るのだが、そこは、当然、自殺者の拠り所になっているのか、壁一面に人間の顔が浮かび上がっており、その異様な寒さとともに、我慢の限界を超えてしまい、俺はそそくさと逃げてきた記憶がある。
そして、こんな事もあった。




その日は夏の暑い日。
俺は友人とバイクでの能登ツーリングの帰りに巌門という場所に寄り、そこで遊覧船などを楽しんでから、それほど距離が離れていないヤセの断崖にやってきた。

実は、巌門に寄った時、そこでまるで作り物のように綺麗な女性を見かけ、友人達と盛り上がっていた。
その美しさも凄かったが、着ている服は、真紅のドレスのようであり、どこか場違いな感じは否めなかった。

ただ、やはり、遊覧船に乗り、その舟が海の中の洞窟に入った時、ありえないほどの耳鳴りと頭痛がしてしまい、逃げるようにその場から逃げるようにして、ヤセの断崖にやって来たのだ。

時刻はもう午後7時近くになっており、夕暮れがとても綺麗だった。
観光客は既に完全に居なくなっており、自殺の名所ということもあって、俺達は恐る恐る、ヤセの弾劾の遊歩道を歩いていた。

すると、前方から女性が1人でこちらに向かって歩いてくる。
それは、間違いなく、先程の巌門で見た、作り物のように綺麗な女性であり、夕暮れの中で見る、その真紅のドレスはまるで血で染められたように、どんよりと赤かった。

そして、風が強かったのだが、その女性のドレスは全く揺れていなかった。
普通に考えれば、先程の巌門からこんな短時間で移動出来る筈もないし、何より、その強風の中で、服が全く揺れていないというだけで、十分、恐怖に値すると思うのだが…。

ただ、その時は、そんな事はどうでも良かったので、ただ、その綺麗な女性とすれ違う事にドキドキしていた。
そして、いよいよ、その女性とすれ違う。

この世の中に、こんなに整った顔が在るのか、と思える程の美人だ。
しかし、どこかに違和感を感じたのも事実だある。

そして、すれ違う時、気のせいかもしれないが、俺達を見て、一瞬笑ったように見えた。
だから俺達は、すれ違い様に、一気に振り返って、その女性の姿を目で追った。

しかし、其処には、誰もいなかった。
隠れる場所などある筈も無い一面の岩場。

一気に恐怖心が込み上げて来た俺達は、逃げるように遊歩道を駆け上がり、バイクでその場から退散した。
無事にバイクまでたどり着くと、すぐにバイクのエンジンをかけて、その場から離れた。
俺達はなんとか逃げ切ったという安堵感でホッとしていた。

しかし、そこから、数百メートルくらい走ったところに、誰かが立ってこちらに手を振っていた。
それは、紛れもなく、先程の真紅のドレスの女だった。
そして、物理的に考えてみると、その女性がそこに立っていられるわけはなく、俺達は目を背けるようにしてその場を走りすぎる。

しかし、そこから、またしばらく走ると、再び、その女性が前方に立っていた。
そんな事が、ずっと続けられ、結局、志賀町という場所に出るまで、その女は俺達の前に現れ続けた。
にこやかに笑い、手を振りながら…。

そして、その日の夜、その女について話していたとき、友人の1人がこんな事を言った。
俺だったら、あれだけ綺麗な女性が相手なら、幽霊でも大歓迎だけどな、と。

そして、その数日後、その友人はバイクで事故を起こし大怪我を追った。
その女との因果関係は分からないが…。

ただ、あの女の笑いながらにこやかに手を振る姿と整い過ぎた美しい顔があれからずっと頭から離れず、今では、逆に、気持ちが悪くてしょうがない。

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