本当に怖かった心霊スポット体験談 〜信じる信じないはあなた次第〜

ネットで見つけた心霊スポットの体験談を紹介していきます!

中国地方, 島根県

石見銀山(処刑場跡地&千人壺)

島根県の心霊スポット「石見銀山(処刑場跡地&千人壺)」にまつわる怖い話

島根県の心霊スポット「石見銀山(処刑場跡地&千人壺)」にまつわる怖い話

数年前の話だと聞いた。
Hさんという女子大生が、叔母を連れて島根県の石見銀山を訪ねた。

石見銀山とは、かつて日本最大の銀の採掘場として栄えた山である。現在では観光地となっているが、彼女が訪れた時期は世界遺産に登録された直後とあって、大型観光バスがひっきりなしに往来する盛況ぶりであったそうだ。

「銀山って暗いイメージがあったけどそうでもなかったね、なんて話していたんですが」

その日の午後。
ひととおり散策を終えたふたりは、観光名所となっている寺院の界隈を訪れていた。

石の橋が随所に架かる、趣のある場所であったそうだ。
と、石彫りの仏像に感心しながら闊歩していた矢先、前を歩いていた叔母が、

「うあ」

と絞りあげるような声を漏らすなり、その場にうずくまってしまった。
体調を崩したかと慌てて背中をさする彼女に、叔母は青い顔で

「違うの」

と言った。

「そこの小川に人がいたの。生きていない人が、いたの」

数分前、叔母はHさん同様に風情あふれる景観を楽しんでいたのだという。
ふと、広い境内を流れる小川へ視線を移す。

「きゃっ」

肋骨の浮きあがった半裸の男が、川の中に横たわっていた。
男は半身を水底へ沈めたままでこちらを睨めつけている。

首や胸のあちこちに切り傷が走っており、うつろな眼には光がない。
生きている者ではないと、直感で知れた。
どうして良いものやら解らず黙って視線を交わしていた叔母へ、男が唇をふるわせて何事かを告げた。

「わすれんでごせ」

声が耳許で聞こえたと同時に、男の姿は見えなくなっていたという。




「その時は、叔母の話をまるで信じていなかったんです。慣れない旅で疲れて、幻覚でも見たのではと思って。けれど……」
「あれ、どがした」

ひとまず休憩しようと訪れた茶屋で、ふたりは店員の老女に声をかけられる。
何と説明すべきか悩んでいると、叔母が

「わすれんでごせ、ってどんな意味ですか」

と訊ね、続けて今しがたの出来事を老女に伝えた。
話を聞いていた老女の顔が、苦虫を嚙み潰したような表情に変わっていく。

「……そらあ、きっと千人壺の人を見たんじゃろねえ」

聞き慣れない単語に戸惑っていると、老女は二人の隣へ腰を下ろして、ゆったりした口ぶりで話しはじめた。

「この先に千人壺いうのがあってな。昔は、死ねた罪人や病人が捨てられたらしいんじゃ。ほれ、今は世界遺産て騒いどるけ、そういうおぞい(怖い)場所は、なんもなかった事にされとんのよ、じゃけえ」

「ワシらを忘れんで」

って言うたんじゃろなあ。
老女は、ひとり納得した様子で、何遍も頷いた。

「何のゆかりもない土地でしたから、叔母がどうして選ばれたのか、理由は今も解りません。ただ……おかげで、彼の願いどおり、忘れられない旅になったのは事実ですね」

Hさんは寂しそうに微笑んで、話を終えた。

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