本当に怖かった心霊スポット体験談 〜信じる信じないはあなた次第〜

ネットで見つけた心霊スポットの体験談を紹介していきます!

東北地方, 秋田県

田沢湖抱返り自然公園

秋田県の心霊スポット「田沢湖抱返り自然公園」にまつわる怖い話

秋田県の心霊スポット「田沢湖抱返り自然公園」にまつわる怖い話

東北の邪馬渓とも言われる、風景明媚な渓谷は、『田沢湖抱返り自然公園』に指定されている。
道幅が狭く、抱き合って通ったことから『抱返り渓谷』と名前がついた。

初めて付き合った彼と旅行に出かけたのがここだとMさんが話す。
冷え込みが始まる前に行こうとなって出かけた。
冬になると遊歩道が雪で閉鎖になるそうだ。

彼の実家が秋田だったから。
彼の親に彼女として紹介してもらう旅だった。

渓谷へと続く、古いトンネルの中を歩く。
いかにも岩がごつごつしていて、スコップで掘ったような岩肌。

『鍾乳洞?』

なんて思いながら狭い道を通る。

「M、ここのトンネル、お化け出るらしいから気をつけろよ」
「もうヤダー」

振り向くと後ろを歩く彼がいない。

「わ!」
「キャー!」

彼は四つん這いになっていて、私の足に抱き付いてきた。
もう、めちゃくちゃ怖かった。

「怖かった?よくさ、ここに四つん這いジジイが出るっていうからさ」
「やめてよ〜私ほんとに苦手なんだからそーいうの」
「かわいいなあ〜Mは」

いちゃいちゃしながら名所を歩く。
で、そのトンネルを出ると見事な滝。
回顧の滝だった。

Mさんは、補強のないトンネルや、相当昔からありそうな橋にも不安さを感じていた。
秋田出身の彼は、子供の頃から来てるから全然気にしてない。
滝の前に出た時、滝の下に子供が立っているのが見えた。

『滝に打たれてるんだろうか?』

「ねえ、あそこにいる子、あんなとこまで入れるの?」
「どこ? 誰かいる? 見えないけど」
「目悪いなあ。ほら、滝の落ちるとこの岩のとこ、立ってるじゃない」
「それって男?女?」
「学生帽みたいの被ってるし男じゃない?」
「学生帽?今時そんなガキいるか?カツオくんかよ」

『そういえばそうだな』

と思ってもう一度見るともういない。




急に彼の口数が減った。
私の方を見ているが、時々違う方を見ている。

『観光客に可愛い子でもいたのかな〜』

と思って、黙ってその先を歩く。
断崖絶壁の中の遊歩道、どんどん狭くなる。

何となくだが上を見ると、さっきの男の子が見ていた。
ただジーっと。

「ね、ほらさっきの子、上にいるよ!」
「え? どこ? あっ」

彼が大きめの石につまづいて、本当に崖から落ちそうになった。
慌てて手を引っ張ったら、ひどく軽かった。
体重80㎏くらいある大男なのに、誰かが押し上げてくれたような、そんな雰囲気。

「危なかったね〜もう帰ろうか」
「…いや、もう一か所行くところがある」

大真面目な顔で、Mさんの手を引っ張って行く。
たどり着いたところには、『飯村少年慰霊碑』とお地蔵さまがあった。

昭和10年に、ここに遠足に来た少年と妹。
妹が滑って谷に落ちた。
少年は鬼神のようになって

「己が死んでも妹は殺されない!」

と叫び、亡くなってしまった。
妹は助かったという。

その立て札を読んで、二人は手を合わせた。
さっきの少年は、このお兄ちゃんだったのかも……

「もう帰ろう」

神妙な顔で二人はその場を後にした。
先の遊歩道を行くのはやめて戻った。
帰りの車の中で、彼が話し始めた。

「さっき、滝見てた時さ……Mの後ろに小さい女の子が立ってたんだよ。で、お前は男の子が見えるって言ったろ?もしかしてあの兄妹かなって思ったんだ」
「女の子?い、今もいる?私の近く……」

駐車場を出る時、二人の兄妹が見えた気がした。

「私達が拝んだからかもしれないね、成仏してたらいいね」

と話して、彼の実家へ行った。
彼の母親にその話をしたら、

「それはもしかしたら……あれが出る時は、ここに来るな、あぶねえって時だ」

その後、あの滝より先は土砂崩れが起きて、通行止めになった。
でも、その彼とは別れてしまった。

彼はまだ女の子が見えて怯えていたから。
Mさんは笑って言った。
Mさんの手の上に小さな手が重なって見えた。

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