利賀村に在る金剛堂山は、いい加減な気持ちで登ると罰が当たる。
昔から信仰の対象にされていた山には良くある事なのだが、この山もそうだった。
それまで、快晴だった空が、山頂でタバコ(山の神は火を嫌う)を吸った後、急激に天候が変わり、激しい雷を伴う雷雨に成った。
もともと山頂付近は木が殆ど無く、隠れる場所も無かったので、一分間隔で落ちる雷に生命の危険を感じ、自分に落ちない事を山の神に懇願しながら命がけで山頂から逃げ帰った。
そして、一時間『雷雲』の中を下山して、やっと長い山頂草原地帯から尾根筋へ出た時、まるで嘘のように空が晴れ、青空に成った。
本当に、この恐怖で寿命が5年ほど縮んだと思った。
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