2年前の夏、友人4人で岐阜の心霊スポット巡りをしていた時のことを書きます。
カワイさん家や朝鮮トンネルなどにも行きましたが、自分たちは霊感など特にない方なので、どのスポットも何事もありませんでした。
けれど、夏も終わり頃に行ったUCC喫茶店では不思議な事が起こりました。
深夜1時を過ぎたころに着いたと思います。
小雨が降るなか、僕たち4人は、店内に入っていきました。
中は非常に荒れた様子で割れた窓ガラスや瓦礫が床に散らばっていました。
懐中電灯は一つしか持って行かなかったので、4人が一列に並んで歩かないといけない場所では、最後尾に着いていた僕の背後は深い闇の中でした。
厨房を抜けて、細い二階へ上がるための階段を見つけました。
『その二階に喫茶店のオーナーが住んでいて、何十年も前にヤクザにレイプされ殺された。』という話を聞いていた僕たちはさすがに、その場の空気が重くなるのを感じました。
さすがに、二階に上がるのは気が引けましたが、男4人で訪れていたので、誰も止めようとは言い出せませんでした。
恐る恐る、階段を上がり、二階の部屋に着きました。
その時です。
一階の厨房の方から、
「カチャーン」
という音がしました。
ガラスが割れるような音ではなく、何か金属と金属がぶつかり合うような音でした。
緊張と恐怖がすでにピークに達していた僕たちは我先にと階段を降りて、店を飛び出しました。
そして急いで車に乗り込みドアを閉めると、フロントガラスを横切る黒い影のようなものを見ました。
すでに4人とも車内にいるので、友人の誰かの影というわけではありません。
全身の毛穴が開くのがわかりました。
すぐに車をだし、近くにあるコンビニに駆け込みました。
ようやく明るい場所に出て、動悸を押えていると、友人の一人が妙な事を言いました。
「○○(僕の名前)尻に何か挟まっているぞ」
僕がズボンの後ろポケットに手をやると、そこには紙切れが、グシャとねじ込まれていました。
手が振るえ、恐る恐るその紙を開いてみると、あのUCC喫茶店のお品書き伝票。
『またどうぞお越しください』と印刷されていました。
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