下久保ダムって所に一人で行った時の話。
目的は慰霊碑を見に行く事と赤い橋を渡る事。
山道を進み下久保ダムに何とか到達!
たばこを吸って慰霊碑を見に行く事にした。
しかし、見つからない…
諦めて橋に行こうと思っていたら、一人のおじさんに出会った。
窓をノックしてきて
「慰霊碑の所に行きたいんだろ」
その時から嫌な感じはしていた…
俺の家から下久保ダムまでは片道30キロはある。
だから何としても目的を果たしたい、俺はおじさんを車に乗せた。
乗せたというよりも乗り込んできたって感じだった。
うれしそうなおじさんを見て後悔しまくった。
でも『降りてください』とは言えなかった、なんか怖かったから…
俺の車を物珍しそうに見ていた、車に乗った事なかったのだろうか?
しかし服が汚い…
帰ったら車内を掃除しようと誓った。
慰霊碑に着くまでに10分程度だったが長く感じた。
おじさんは慰霊碑の事やダムに沈んだらしい村の事まで教えてくれた。
『この人は昔からここにいるんだ』
と思い、話を聞いていた。
そして慰霊碑に到着し、おじさんは手を合わしていた。
なんかすごくほっとした、いろいろな事想像してたから(おじさんは死んでる人?とか)…
俺も手を合わせた、ここには工事の作業中に事故で亡くなられた方か眠ってるそうだ。
おじさんは俺が手を合わせてる姿を見ていなくなった。
消えたわけでなくどこかに行ってしまった。
今ではわからないけど、その時俺は探そうともしなかった、帰ってくるとも思わなかった。
5分も待たずに車に乗り帰った。
橋に行く事も忘れ、自宅に到着し早速車内掃除を開始。
助手席が濡れてた、あんな嬉しそうに喋ってる中ションベン漏らしてたのかと思ったが、尋常じゃないくらい濡れてた。
家で下久保ダムを調べるとダムが作られる前に大きな台風が上陸し多くの人命が奪われたらしい。
死してなお死んだ人を思いやる気持ちに感動した。
その半面信じてなかった者と時間を共有していた恐怖も襲ってきた。
この話はいろんな考え方が出来ると思う。
でも俺は上記に書いた事が事実であってほしいと思ってる。
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