俺が消防団に所属していたときの話。
7月の日曜日、子供が川に落ちたとのことで出動命令が出た。
落ちた場所は長野大橋の西側、犀川第二緑地だった。
探した場所は落合橋付近で、水際のテトラの上まで行ってのぞき込んでいたが、発見はできなかった。
一通り見て帰ろうとしたとき何かにひっかかって転んだ。
何だと思って見てみるが、ひっかかるような物はなく、脱げた長靴が地面の上に立っていた。
その日は発見にいたらず、翌日にもう一度河川敷の捜索をするとのことで解散になった。
で、その日の夜、川の中州からおいでおいでをする子供の夢を見た。
次の日の捜索にそのことがひっかかって、中州がある場所は気をつけて見ていた。
捜索を始めて1時間ほどしたところ、県警のヘリが子供を発見した。
昨日俺が捜索した場所直近の中州だった。
中州から少し離れた水中に服らしい物が見えるとの報告で、ボートを出したところ行方不明の少年であることが確認された。
それで、昨日のつまずいたことや昨夜の夢は、一番近くまで来た俺へのメッセージだったのかもしれないと思った。
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