八甲田山は、雪中行軍でたくさんの死者を出したことで有名な場所です。
この話は青森によく伝わる怖い話。
ある夏の日、あるカップルが夜の八甲田をドライブしていたそうです。
幽霊などを信じない二人は新しく彼氏が購入したスポーツカーのスピードを楽しむために、八甲田の山を走らせていたそうです。
途中で夜景が綺麗に見える場所があるらしく、そこで休憩をしていたら、彼女の様子がおかしいことに気づきました。
「おい!どうしたんだ??」
と聞くと、
「寒い…寒いよ…」
と体をガタガタと震わせていたそう。
いくら標高が高いところにいるといっても、季節は夏。
震えるほど寒いわけではなかったようで、
「風邪でもひいたのかな?帰ろうか?」
なんて言っていたそうです。
すると、どこからともなく、
「ザクザク…ザクザク…」
という音が響き渡り始めたそうです。
『気味が悪いな…』
と思いながらも、なんの音なのか分からずに耳を澄ませていると、どんどんとその音は近づいてくることに気づきました。
「ザクザク…ザクザク…」
規則正しいこの音は、季節は夏のなのに雪の上を歩く足音そのもの。
体はこわばり、身動きがとれなくなってしまった二人。
どんどんと足音は近づいています。
そして、その足音は車の後方から聞こえてくることに気づきました。
バックミラーを見ると、青白く光るたくさんの軍人が車に向かって歩いてくるそうです。
驚いた彼氏は必死にエンジンをかけようとするのですが、なかなかかかりません。
やっとエンジンがつき、発車!!!
間一髪で軍人たちと遭遇することなく走り始めた車。
しかし…彼女が乗っていなかったんです。
どこに行ったのか、いつ降りたのか、わからない。
しかし恐怖心から今いた場所に戻ることはできず…
そのまま山を下ったそうです。
朝日が昇る頃、友達連れて彼女を探しに行ってみると…
車を止めていたすぐそばの公衆トイレの中で、髪の毛が真っ白になった彼女が見つかったそうです。
しきりに意味不明な言葉をつぶやき、表情は消え去っていたそうです。
その後、彼女は精神病院へ入院したとか…
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